
3児の父である私。自身が勝ち組とは言えない中で子どもたちにはぜひ勝ち組になる可能性を与えられたら、自分の行動で子どもの勝ち組になる可能性を奪わないために購入。
基本情報
タイトル :ビジネスマンが読む子どもが勝ち組になる本
著者 :和田 秀樹
発行所 :株式会社三笠書房
初版発行日:2011年12月17日
ISBN :978-4-8379-2431-9
目次情報
はじめに 人生の九割は「20歳になる前」に決まってしまう!
- 親父の背中を見せる―「あなたにしかできない仕事」がある
1章 一番大事なことは「格差社会の厳しさ」を教えること
- この危機の時代に「子どもを生き抜かせる法」がある
- 10年後、「中国・韓国の若者」に負けない生き方
- これからは「知識と知恵がある人」に幸福が集中する
- 人生の「負の連鎖を断ち切る法」を知ろう
- フリーターになると、生涯収入「最大二億円」の損失
- 就活で「人一倍苦労する若者」は、親が無能だ!
- 「努力しない人は不幸になる!」の頭のいい伝え方
- 「収入が高い人ほど長生きする」が現実だ
- 「貧乏の強さ」を教えることこそ、父親の役目
- 「地方の大学に進学する」デメリットも考えておく
- よき反面教師―「子どもを負け組にする親」共通の人生観
2章 「お金と仕事で苦労しない」生き方も教えよう
- 「勝ち組の金銭感覚」の磨き方とは?
- 受験は「人生、最初の投資」と考えよう
- 「100点満点ならご褒美」で、子どもは意外に伸びる!
- アメリカの超エリートが「メンタルフルネスな理由」
- 芸能スポーツ志望―「子どもを不幸にする夢」をつぶす法
- 人生も受験も、「第二志望」「第三志望」まで考えさせる
3章「知識」だけでなく「知恵」も身につけさせる法
- 知識は武器だ!―『もしドラ』女子マネージャーの発見
- 10年後、ロボットに勝てる人と、負ける人がいる
- 「情報の量」でなく「知識と知恵の量」が分岐点になる
- たとえば「教師の目で自分を見る習慣」をつけさせる
- 社会に出る前に知っておきたい「ものの見方」
- 将来「子どもから感謝される親」は、ここが違う!
4章 「10年後の日本」「10年後の自分」って、どうなる?
- 上司が外国人。そんな場合、どうする?
- 「日本企業が中国化」時代の働き方
- グローバル時代に必要な「コミュニケーション能力」
- 「人間の能力」は、いつも「活字の読解力」に比例する
- 「本を読む若者」は10年後、それだけで差をつける!
- 今こそ「追いつけ追い越せスピリット」を植えつけよう
- 2020年、「人口が爆発している地球に住む」意味
- 日本の大問題―「エネルギー問題」をどう話す?
- 「シャッター通り」は日本社会を知る最適の教材!
- 「学校の先生が尊敬される国」は、いつの時代も強い!
5章 これからは「本当の頭の良さ」が武器になる!
- 「学歴の高い者は、収入も高い」は国際基準
- 甘い日本人だけが知らない「世界共通の頭脳格差」
- 「エリート教育」から「エスタブリッシュメント教育」重視へ
- 子どもを「金の卵」にする、もっとも有効な法
- 「職業訓練」に対する意識、もっと高めよう
- 将来、ビジネスマンの能力は「PIAACテスト」で測る
- 意外にも、ビジネスの基本は、「受験勉強」で教わる!
- 「教師・弁護士・税理士」を安直に目指すと、バカを見る
- 人生のスタートラインで差がつく「ネットワーク」とは?
- 東大卒業の私が痛感する「東大卒業のメリット」
6章 「社会がどんな人間を求めているか」を知ろう
- 仕事センス―「相手が求めているものを読む力」を鍛えよう
- たまには「どんな仕事が儲かるか」いっしょに考えてみよう
- 迷ったら「競争率が高いか・低いか」で判断するのも手
- 「勉強ができる人」と「仕事ができる人」の共通項
- 優しさ・豊かさ……「曖昧な言葉」が「曖昧な人間」をつくる
- 子どもの中の「日本人の真面目な国民性」がモノを言う!
- 「他人の三倍以上の成果を上げる」私の勉強ノウハウ
7章 「ブレない人間」「負けない人間」になるために
- 子どもを「知らないうちにバカ化する」日本の現実
- 「テレビのウソの見抜き方」を教えよう
- 読んだもの・見たものを「鵜呑みにしない人間」に育てる
- 視聴率の高い番組の「スポンサー」に注意してみる
- マスコミが「問題視しない問題」とは?―高齢者の自殺
- テレビの報道番組を「大本営発表」として見る法
- 「ダイエットに必死になっている子」は、社会の犠牲者だ
- 親から始める「自分の頭で考える」習慣
- 「自分は賢い」と思った子どもは、必ず強くなる!
個人的評価
超個人的に独断と偏見を多分に含む評価を星5段階で表します。
▶オススメ度
現代に蔓延している甘いワナをしっかりと否定している。間違った自由が歌われる昨今にしっかりと親の責任を示している。やるべきことはやらなければならないのである。やるべきことを理解させやらせるのは親の責任である。そのことを明確に示している。
▶よみやすさ
ページ数も適度で文体も読みやすい。日頃忙しくあまり読書習慣のない父親母親の方でもするすると読めると思われる。
▶専門性
日本の現状や今後の見込みなどをわかりやすく説明している。エビデンスを示すのも専門的な内容はあまりなくわかりやすくしている。諸外国の事例を用いて日本との比較を行うなど日本の現状や未来についてわかりやすく説明している。
▶読後感
明確なメッセージを示しており、納得感を得ることができた。子どもに対し自分が犯してきた過ちを犯させないために親としての責務を果たそうと思わせてくれる。
こんな方におすすめ!!
- 子育てをしている親
特にまだ子どもが小さい家庭の親 - 教育者または教育者を目指す方
どんな本??
1章では、親が子にまず教えなければいけないこと「格差社会の厳しさ」について説明している。格差社会は私自身も身を持って実感している。親戚の集まりでは否応なく自分の置かれている立場を痛感する。「貧しき者」は日常生活からフラストレーションを溜めている。その上親戚の集まりで現実を突きつけられるとイライラのピークに達する。「富める者」は富める世界が当たり前だと思っている。まるで「貧しき者」など存在しないかのように感じている。「貧しき者」せいぜい自分の8割程度と誤認している。それがわかるから余計にイライラする。(申し訳ないです。ただの愚痴です。)それでもいっときの優越をつけない運動会やみんな平等だとする風潮の裏でその事を触れ回る「富める者」は自分の子どもには決してそんな教育は受けさせていないだろう。相対的貧困層が米国に次いで二位である日本という事実がこの国の格差社会の拡大を理解するにはわかりやすいだろう。そんな中でも現代の若者は進学欲や出世欲が乏しいエビデンスを示す。そして一度勝ち組になったからと言ってその戦果は一生は持たない事を実際に起こった事例を使って示している。
この章を読み進めると自分自身の人生を反省してしまうのは私だけだろうか。なぜ俺は学生時代もっと元和れなかったんだろうか、なぜチャンスはいくらでもあると思ってしまったのだろうか、と。本書の文章をそのまま引用するが、”日本は確実に、一度負け組に転落すると学歴を通じて這い上がるのが非常に難しいアメリカの格差社会の後を追っている”とのことを肝に命じたい。学歴の差が今後格差の差となってくる。巷で言われる大学なんて言ったって無駄だという言葉に騙されてはいけない。そして子どもが良い大学に行けるかどうかは親の責任であると解く。
2章では、お金との向き合い方を教える大切さを解いている。労働の対価としてのお金を稼ぐことの大変さを教えなければならない。そして、勉強し大学に行き正社員として就職することの大切さを示している。ともすると野球選手やサッカー選手、俳優や芸人など成功すれば大金を手に入る職業を夢見ることもある。氷山の一角の成功者の影には数多くそれこそ数十倍、数百倍、数千倍の敗者がいることを認識しなければならない。それを考えさせるのは親の大事な役目と解く。正しい現実を与えず決断させ、夢破れた時に悲惨な状況に陥るのは親の責任である。
3章では、AI時代が到来した現代ではより知識社会が到来している。これから先、戦う相手は人間とは限らない。膨大な情報を蓄えた人間では到底扱えない統計学を瞬時に扱うロボットと争うこととなる。ロボットと同程度の能力しか有しない人材は職にありつけない。勉強して知識を身につけない者が待つ厳しい現実を親は子に教えなければならない。そして、その知識を活かせるようになることが大切だと解く。
4章では、「上司が外国人。そんな場合、どうする?」という問いで始まる。この問はグローバル社会の進展に伴った大企業だけの話ではない。中国の台頭が今は昔となりすでにGDP世界2位に踊りだした今さらなるグローバル化の波は激しくなっていく。そんな中でこれからの子どもが何を学ぶ必要があるのかを示している。そして子どもたちが暮らす未来を考えるための現代の問題点を提示している。初版が出てから現時点で14年だが、この本で示されている問題点が徐々に現実の物となっている。相対的にどんどん日本人は貧しくなり二極化が進展してきている。
5章では、学歴と収入の相関関係を示し、学歴が収入に及ぼす影響が大きいことを説明している。認識の甘い日本の成長が鈍化するなかで、韓国、中国、アメリカ等々他の国々は学歴の大切さを理解して死に物狂いに学んでいる。医者の子が医者に、弁護士の子が弁護士になるような親の影響によるものが相関関係が強い日本で平々凡々な家庭の子どもが世に出て成功を収めるには「勉強して高学歴を手に入れること」が大切だと解く。人口減少の中で低学歴者の働き口は厳しい状況になっていく。そして学歴が持つ意味も時代とともに変化している。今や学歴だけで一生安泰とはいかず、優良企業の入社試験を受ける必須条件になっている。
6章では、社会のニーズを捉える重要性を解いている。時代とともに社会が求める人材も変化している。時代の流れとともに社会がどういった人材を求めているかを理解することが大切である。そのニーズを把握するためどうしたらいいかを示している。また、どういったところにチャンスがあるのかを説明している。
7章では、メディアに騙されてはいけないと解いている。特にテレビを初めとしたマスメディアに対する向き合い方について説明している。確かに昨今マスメディアの化けの皮が剥がれている。無責任に根拠薄弱なコメントを言うコメンテーターが多いか。真実を見抜く目を持たなければ騙され誘導され搾取され利用されるだけだ。テレビは真実を語るものでも正義でもない。ただの商品である。テレビ局のとっての消費者は視聴者ではない、スポンサーが消費者である。そういった事実を理解しないと放送されている内容を鵜呑みにしてしまう人間になってしまう。それがいかに危険で愚かなことか。子どもがテレビのマインドコントロールにかからないようにするのは親の責務であると解く。
個人的気づき・印象に残った言葉
「二極化が古い」と思っている人たちは、「二極化が受け入れられない」から目を背けているだけ
確かにその通りであと私自身も感じている。二極化が良い悪いは別として現実は確かに二極化が進行している。その事実に蓋をして見てみないふりをしているのは二極化の「富める者」の側だろう。昨今の多様化もそうであるが、その手の綺麗事に吐き気がするのは私だけではないだろう。
最後に
冒頭は少々愚痴めいた記載が多かったこと失礼しました。色々と考えることがありまして。。。
この本を読んで、自分の人生を振り返り学生時代に真面目に勉強をしてこなかったことを後悔してしまった。今更ながらもっと勉強していればもっと違った人生を歩めたんだと思うと悔しい気持ちが少しだけ湧いてきた。子どもが将来どうゆう道を目指すかはわからないが、選択肢を選択できるようにチケットは持たせてあげたいと説に思う。
お読みいただきありがとうございました。
拙い紹介でしたがいかがでしたでしょうか?
記事はあくまでも未熟者である私の感想になりますので、ぜひあなた自身で本をお読みいただき、どのように感じたのかをコメントいただけると嬉しいです。
あなたの読書ライフのお役に立てていれば幸いです。
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